ゴーン氏、ルノーによる日産・三菱自の完全子会社化改めて否定

28/10/2018

Nikkei

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【ラバト=白石透冴】仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社の会長を兼務するカルロス・ゴーン氏は27日、モロッコの首都ラバトで、日産や三菱自がルノーの完全子会社になることはないと言明した。3社の資本関係見直しを進める同氏は6月に完全子会社化を否定したものの、その後は目立った発言を避けており臆測を呼んでいた。

 

取材に応じるルノーのカルロス・ゴーンCEO(27日、ラバト)

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取材に応じるルノーのカルロス・ゴーンCEO(27日、ラバト)

 

仏国際関係研究所がモロッコのラバトで開いている「世界政策会議」で、日本経済新聞などの取材に答えた。

 

ゴーン氏はルノーによる2社の完全子会社化を避ける方針に変わりはないかとの問いに「私は過去の発言を数カ月後に翻したりしない。言った言葉はそのままだ」と述べた。同氏は6月、三菱自動車の株主総会で「完全子会社になる可能性はゼロだ」と語っていた。

 

日産などからルノーとの経営統合を警戒する声が上がっていることに「全ての利害関係者が満足する計画を作る」とし、日産や三菱と調整しながら結論を出す姿勢を改めて強調した。

 

ゴーン氏はこれまで資本関係見直しを急ぐと発言していたものの、6月以降踏み込んだ発言をしていなかった。10月上旬、見直しは進んだかとの仏経済紙レゼコーの問いに「まだ(決定は)早すぎる」と答えている。ルノー筆頭株主の仏政府との擦り合わせが難航しているなどとの臆測が出ていた。

 

3社の連合を巡っては、仏政府が経営統合も含めて検討するようゴーン氏に迫っている。強いリーダーシップを持つゴーン氏が退任した後も、3社連合を機能させるためだと主張している。

 

ルノーは日産に43%を出資する一方、日産はルノーに15%、三菱に34%を出資している。3社はお互いの経営の独立を尊重しつつ、部品共有化などの効率化を進め利益を高めてきた。